Iターン
単身移住
多寄地区で好きを形に。
さすらいの料理人がたどり着いた士別。
小澤 良太さん
Iターン
単身移住
士別市立博物館で学芸員として勤務する中村さんは現在32歳、2018年の3月に士別にやってきた。
「士別は文化的な活動が盛んで、そうした素養が高いまちだと思う。」
北海道伊達市出身の中村さんは、大学時代を沖縄で過ごし、卒業後アイヌ民族の歴史を研究するために北海道大学の大学院に進学した。そこで学芸員の資格を取得し、研究室の教授伝いで士別博物館での採用枠を知り、現在の職場である市別市立博物館の学芸員を受験。2018年の4月から博物館で働いている。
「元々興味があったから始めただけなんだけど、博物館の学芸員が地域の伝統行事に関わるのは少なくないんだけど、会員として活動する人は多くないんじゃないかな。今では誰も俺がアイヌの研究してたなんて覚えてないみたい(笑)」
中村さんは士別市多寄地区に古くから伝わる郷土芸能「日向神代神楽」に移住当初から関わり、活動している。月に一度の活動を基本に練習を積み、11月の文化の日やその他の行事にて演舞を披露している。こうした市民による生涯学習活動が盛んなのは士別の一つの特徴だろう。他にも百人一首や版画サークルなど、大人も子どもも参加できる活動が至る所で行われている。文化の日には市内の各地区で文化祭が行われるのも、中村さんが士別は文化的素養が高いという所以だ。
「学芸員だからこそわかる文化的魅力を外に出て伝えられる。」
士別博物館はまちなかから車で5分ほど行った小高い山の中に位置している。裏には市が管理する森が広がり、そこを利用した講座も頻繁に行われている。博物館の中に留まるのではなく、外に出ていく。幅広い体験や講座を通して市民の関心に応えていく。そうした活動を進めている背景には、移住者だからこそわかる士別の魅力があるという。
「地元にも神楽はあったし、サークル活動もあったとは思うけど、士別ほど文化活動が盛んな印象はなかった。これは士別の強みだと思うから、地域の人と関わり合って、市民にこの魅力を発信していくのは外から来た自分の役割。」
そんな中村さんは、生涯学習活動に積極的に参加している中で、現在の奥様とも出会い、2020年に結婚。夫婦でまちなかに暮らしている。生涯学習や社会教育といった文脈の活動が盛んに行われている士別市では、そうした中でコミュニティが自然と育まれている。こうしたコミュニティが幾つもあると言うのは、移住をしてきた人や検討している人にとっても心強い。
「士別には何もないっていう人多いんだけど、生涯学習のまちって謳っているくらいだし、探すとたくさんの市民団体やサークルがあって、興味を持って関心の幅を広げていけば必ず自分にあったコミュニティを見つけることができると思う。」
そう話す中村さんは、せっかくそんなにたくさんのコミュニティが士別には存在するのに、それが市民に対して上手に伝えられていないことに課題を感じている。
「移住者としてもそうだけど、博物館職員として、日本史を専門に学んできたものとして、素敵な文化活動が市民に伝わっていないのは勿体無い。だからこそ市民への周知というところで自分にできることをやっていきたい。」
今では日向神代神楽保存会の会長という役職も担い、士別の郷土芸能についての知見と思いを持ち合わせている中村さんの、今後の自身の展望と士別の未来について最後に語ってもらった。
「ちょっとずつ士別の子どもたちにも神楽が伝わってきた。地道な活動かもしれないけど、人の目に触れ続けること、生涯学習の場に関わり続けることをしていきたい。あと個人的には、士別は自然が多いから、山の中に籠るような生活をしてみたい。奥さんには反対されるだろうけど(笑)」
単に移住者という枠を超えて、士別の未来を見据えて活動を続ける中村さん。都会のような華々しさはないけれど、都会では体験できない郷土芸能や文化的な活動を通して、士別を好きになってほしいと語る。自身の得意なこと、好きなことを活かすことで地域に還元する。そしてそんな自分の好きや得意を見つけられる可能性が士別にはある。生涯学習のまち士別。そんな視点から移住先を検討するのも趣があっていいのかもしれない。
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